僕は君たちに武器を配りたい

 

 2021年2月26日

 こんにちは。

 今回は、滝本哲史氏著の『僕は君たちに武器を配りたい』という本を紹介します。本書では、目まぐるしく変わっていく世の中で、これから社会に出るていくもの、社会に出たばかりの若者が、資本主義社会の中で生き残っていくための「武器」が配られています。いつまでも、平和で、政府に守られた社会が続くとは限らない。大きな災害や恐慌、テロが起きてもおかしくない世の中で私たちは生きています。非情で残酷な世の中を生き向くための「ゲリラ戦」のすすめがこの一冊です。

 時代の犠牲者にならないために、あなたがあなたらしく生きていけるためにも、是非この本を教本にしてもらえたら幸いです。

 

 

 

目次

第1章 勉強ができてもコモデティ

第2章 「本物の資本主義」が日本にやってきた

第3章 学校では教えてくれない資本主義の現在

第4章 日本人で生き残る4つのタイプと生き残れない2つのタイプ

第5章 企業の浮き沈みのカギを握る「マーケター」という働き方

第6章 イノベーター=起業家を目指せ

第7章 本当はクレイジーなリーダーたち

第8章 投資家として生きる本当の意味

第9章 ゲリラ戦の始まり

 

 

第1章 勉強ができてもコモデティ

 経営学や経済学で使われる言葉で「コモディティ」という大事なキーワードを紹介する。コモディティとは、英語で石鹸歯ブラシなどの「日用品」を指すときに使われる言葉だが、経済学や投資の世界ではちょっと違う意味で使われる。市場に出回っている商品が、個性を失ってしまい、商社にとってみればどのメーカーのどの商品を買っても大差がない状態それをコモディティ化と呼ぶ。

 

  つまり、個性のないものは全てコモディティなのだ。どんなに優れた商品でも、スペックが明確に定義できて、同じ商品を得る複数の供給者がいれば、それはコモディティになってしまうのだ。

 

 そして、コモディティ化した市場で商売をすることの最大の弊害は、「徹底的に買い叩かれる」事だ。コモディティ市場において、商品の値段がいくらに決まるかは非常に明快で、コモディティー化した市場は、工場的に商品が余っている状態になるので、そこでの商品の値段は供給側の限界利益が0になるまで下がってしまう。

 

 わかりやすく例を上げると牛丼チェーンの値下げ競争にコモディティ化の典型を見ることができる。牛丼と言う食べ物は、チェーンによって多少は味に差があるだろうが、月に1度か2度食べる位の普通の生活に、その味の差異が明確に認識されているとは言い難い。生活者にとっては「おなかいっぱいで安い値段」で牛丼が食べられることが1番のバリューで、吉野家松屋すき家か大した問題では無いからだ。そうなると消費者が牛丼チェーンを選ぶ基準は、少しでも安い方が良いと言うことになり10円、20円の争いになっていき、値下げする事でしか他社との差別化ができなくなっているのだ。

  

 しかしここで言いたい事は、コモディティ化するのは部品だけの世界の話ではなく労働市場における人材の評価においても同じことが起きているということだ。これまでの「人材マーケット」では、資格やTOEICの点数といった客観的に数値で測定できる指標が重視されてきた。つまり、資格やTOEICの点数で自分を差別化しようとする限り、コモディティ化した人材になることは避けられず、最終的には安いことが売りの人材になるしかないのだ。

 

 このように、これからの日本では、単なる労働力として働く限り、コモディティ化する事は避けられない。

 それでは、どうすればこのようなコモディティ化の潮流から逃れることができるのだろうか。

それは、人より勉強するとかスキルや色資格を身に付けるといった努力ではなく、スペシャリティーになることだスペシャリティーとは専門性、特殊性、特色などを意味する英単語だが、要するに「他の人には代えられない唯一の人物」か他のものでは代替することができない唯一のもの」になるということだ。

 忘れてほしくないのが、スペシャリティーになるために必要なのは、これまでの枠組みの中で努力するのではなく、まず最初に資本主義の仕組みをよく理解して、どんな様子がコモディティ化スペシャリティー分けるのかそれを熟知することということだ。

 

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ここまでに手に入れた「武器」

• 全産業で「コモディティ化」が進んでいる。賃金を下げないためにはコモディティーになるな!

• 生き残るためには「スペシャリティー」な人間になること。「唯一の人間」になれ!

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第2章 「本物の資本主義」が日本にやってきた

 歴史を振り返ると、資本主義に至るまでに発展の段階がいくつか存在する。富を得る方法で、1番古くからあるのは「略奪モデル」である。簡単に言えば、富を持つものから力ずくで奪う、という方法である。「略奪モデル」の後に富を生み出す仕組みとして新たに出てきたのが、「交易モデル」である。そしてこの「交易モデル」の後に出てきて、大きく社会を変えたのが「生産性革命」である。靴や洋服などの日用品も生産革命によって大量に作られるようになりあらゆる階層の人間に行き渡るようになった。

 そして21世紀の現在、生産性革命はあらゆる国に行き渡った。生産性革命がもたらしたものは非常に大きく、かつては富裕層しか手に入れることができなかった自動車も、あらゆる階層に行き渡り、電気自動車の時代が始まろうとしている。

 

 そして、生産性革命が起こると同時に、工作機械の精度も向上していた。誰が生産ラインに入っても、最新の自動車を作れるようになり、熟練労働者が必要とされなくなっていく。誰でも良いのなら、企業はコストを抑えるために、もっと安い賃金で雇える人を採用するようになっていた。先進国の失業率が高まり貧富の差が拡大していった根本的な原因にはこのような工場現場で起きた技術革新があったのだ。

 

 そんな技術革新の中で、日本は「すり合わせ製造業」と言う分野で圧倒的な技術力を誇っていた。「擦り合わせ製造業」では、規格化された汎用部品を合わせて製品をつくりあげるのではなく、それぞれの部品屋ユニットを、最終的に最も性能や機能を発揮出来るようにカスタマイズして設計し組み立てる、という開発プロセスのことをさす。

 しかし、時代は変わってしまったようだ。

 工作機械の進歩は凄まじく、中国では人海戦術で多品種の製品を作るようになり、品質やコストに置いて差をつけることが難しくなっている。つまり、近年は日本企業と海外企業の作る部品では最終的な間製品の品質に有意な差がほとんど見られなくなってしまったのだ。

  このように、内需の拡大はもはや限界を迎えており、日本がこのままの経済戦略をとり続ける限り先行きは暗いのだ。 同じことを続けていても現場は悪くなる一方だ。

 

 今後は、個人レベルでビジネスモデルを変える、またはあたら新たなビジネスモデルを作り出すと言うことに挑戦しなければ、多くのビジネスマンが生き残ることができなくなってきます。そのためにはどう考え、何をすべきなのか、次章以降で説明していきます。

 

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ここまでに手に入れた「武器」

• 資本主義には3つのモデルチェンジ、「略奪」「交易」「生産性革命」があった

• 日本を支えてきた「すり合わせ産業」はもはや通用しない

• ものづくりにはこだわるな!国に頼るな!

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第3章 学校では教えてくれない資本主義の現在

 

なぜほとんどの学生ベンチャーは失敗するのでしょうか」

 

 その答えは、コモディティ会社を作ってしまうからだ。例えば、文系の学生が、自分が家庭教師のアルバイトをしているからと、家庭教師の派遣会社を作ったり、理系の学生がプログラミングができるからといって、ゲームやシステムの開発会社を作るのがその典型的なパターンである。しかし、これらはすでに市場が熟成している。多くの会社が乱立し過渡競争が業界で、何の知識もない学生ベンチャーが成功するはずがあるだろうか。

 また、学生ベンチャーとして、たまたま歩直成功したとしても、それは学生の労働力が社会人に比べれば圧倒的に安く済み、また体力と暇がある上に仕事が早いといった理由で一時的に競争力があったに過ぎないのだ。

 

 だから学生は、卒業後すぐに起業するのではなく、いちど就職をして、社会の仕組みを理解した上で、コモディティー化から抜け出すための出口を考えながら仕事をしなければならない。そうして、出口を考えながら好機を待っていた人が、30前後で満を持して起業し、成功するパターンがベンチャーには実は多く見られるのだ。

 

 また、新規参入と言う点から述べると、特定の産業があるタイミングで大きくなり、そこで働いていた人が一時的に潤うことがある。しかし、その甘い蜜を吸おうと、後から参入しても報われないということを覚えていて欲しい。時代の流れというものはとても早く、変遷しないものはないからだ。

 これから就職や転職を考える人は、マクロな視点を持ちつつ、「これから伸びていく」「多くの人が気づいていない」ニッチな市場に身を投じることが必要なのだ。つまり就職においても、後に述べる投資家的視点を持っているかどうかが成否を左右するのだ。

 

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ここまでに手に入れた「武器」

• 現役学生が起業するのは「高学歴ワーキングプア」への道。コモディティ企業を作るな!

• 大量のコマーシャルを売っている会社、「今流行っている」商品、サービスを売る会社には気をつけよ!

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ここからは、これまでの時代、そして、これからの時代で儲げることができる人を6種類に分類して紹介する。以下の通りだ。

 

1. 商品を遠くに運んで得ることができる人(トレーダー)

2. 自分の専門性を高めて高いスキルによって仕事をする人 (エキスパート)

3. 商品に付加価値をつけて、市場に合わせて得ることができる人 (マーケター)

4. まったく新しい仕組みをイノベーションできる人 (イノベーター)

5. 自分が起業家となり、みんなをマネージしてリーダーとして行動する人 (リーダー)

6. 投資家として市場に参加している人 (インべスター)

 

 そして、これから価値をしなっていく2つのタイプはトレーダーとエキスパートだと筆者は述べている。なぜならトレーダーは、大きな組織である必要がなくなっているからだ。ユニクロやキリンの広告を手がけ有名になったクリエイティブスタジオの佐藤可士和氏などが筆頭だ。同じくトレーダー的業種の代表である総合商社も、商品を右から東へ流して利ざやで稼いでいた部門は崩壊状態である。このように、商品を遠くに運ぶ役割だけでは、誰にでもとってかわられるからだ。

 また、エキスパートにおいて、1つのジャンルに特化して専門知識を積み重ねているだけでは生き残るのが難しくなっていると言える。ある時期に特定の専門知識を身に付けたとしても、その先にあるニーズが社会変化に伴い消えると知識のその必要性自体が一気に消滅してしまうからだ。

 

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ここまで手に入れた「武器」

• 資本主義の世界で、稼ぐことができるのは6タイプ

• しかしそのうちのトレーダーとエキスパートは価値を失いつつある

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 第5章 企業の浮き沈みのカギを握る「マーケター」という働き方

 

 これまでに、これから生き残れるビジネスパーソンのタイプは「マーケター」「イノベーター」「リーダー」「投資家」の4種類の人間だと述べている。これらについて以下紹介していく。

 まずマーケターとは、端的に定義すると、「顧客の需要を満たすことができる人」のことです。大切なのは、「顧客自体を新たに再定義する」と言うことである。つまり、人々の新しいライフスタイルや、新新たに生まれてきた文化的な潮流を見つけられる人のことを指し、自分自身で何か画期的なアイデアを持っている必要は無いのです。

 重要なのは、世の中で新たに始まりつつある、かすかな動きを感じ取る感度の良さと、なぜそういう動きが生じてきたのかを正確に出できる、分析力である。さらに、売るものは同じでも、「ストーリー」や「ブランド」といった一見とらえどころのないふわふわとした付加価値や違いを作れることだ。

 

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マーケター : ここまでに手に入れた「武器」

• マーケターとは新しくない要素の組み合わせで「差異」を作り出せる人のこと。これからのビジネスは「差異」が左右する。 

• 企業や商品で差をつける事は難しい。差をつけるには、ターゲットとなった顧客が共感できるストーリーを作ること。

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第6章 イノベーター=起業家を目指せ

 

 イノベーターになるにはどうすれば良いのだろうか。事実、最初から1人でイノベーションを生み出すことができる人はいない。

  歴史に名を残すイノベーターも、必ず最初はどこかの業界に属して働き、そこで知識と経験、スキルを蓄えた。だから、もしあなたがイノベーターを目指すとしても、必ず最初はどこかの会社に所属する必要がある。

 

 また、イノベーター的な考えをすると、つぶれそうな会社に入ることにも大きな意味がある。例えば、今は何とかもっていても、将来の先行きは無いだろうと思われる会社に入り、会社と業界を徹底的に研究する。そして会社が潰れる前に退職し、その会社を叩き潰す会社を作るのである。「お世話になった会社を叩き潰すなんて、、、。」と心が優しい人には極悪非道な振る舞いのように聞こえるかもしれないが、起業成功させるためには非常に有効な手法である。

 このようなケースはシリコンバレーでは極めてよくあることだし、日本でも珍しくは無い例えば牛丼チェーンの松屋等はもともと吉野家が元になって生まれた会社だった。このほかにも様々な有名企業がの始まりは、お世話になっていた会社を「仮想敵」と考え、その会社を叩き潰す会社を作ることが目的だったりする。

 

 こうした事例を見ても、学生がいきなり起業することの無謀さがわかるだろう。まず、自分が興味のある産業で就職してみる。そして経験と知識を蓄えてから、いずれその会社を叩き潰す会社を作れば良いのである。

 

 日本ではよくイノベーションを「技術革新」と訳されるが、実は「新結合」という言葉が1番この言葉の本質を捉え得た訳語だろう。今までとは違う組み合わせ方で提示すること。それがイノベーションの本質だ。社会にインパクトを与える商品やサービスを見出したい、と考えたとしても、全く新しい製品を作る必要は無いのである。今すでにあるものの組み合わせを変える、見方を変える、そうすることによってイノベーションを起こすことができるのだ。

 

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ここまでに手に入れた「武器」

• 自分の働く業界について、人、モノ、カネの流れを徹底的に研究しろ!

イノベーションのチャンスは「今しょぼい業界」にある。

•「 TPP(徹底的にパクる)」と「逆の発想」がイノベーションを生む。

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第7章 本当はクレイジーなリーダーたち

 

 事実、世の中に傑出した人物など、ほとんどいない。たとえいたところで、その人物が自分の配下になってくれるかどうかは別の問題だ。世の中のほとんどの人は凡人なのだから、その凡人をうまく使うスキルを学ぶことが大切なのだ。

 つまりリーダーには優秀だがわがままな人をマネージするスキルも大切だが、優秀でない人をマネージするスキルの方が重要なのである

 だめなところが多々ある人材に、あまり高い給料を払わずとも、モチベーションを高く仕事をしてもらうようにもっていくのが本当のマネジメント力なのだ。  

 

 ここで紹介されているのがクレイジーな人だ。筆者は、クレイジーな人だけがリーダーになれると主張している。Microsoft創業者のビルゲイツ、や同社のCEOを手がけた、スティーブバルマー、アップルのCEOであったスティーブ・ジョブズ日産自動車をV字復活させたカルロスゴーンなども「狂気の人」だったようだ。

詳しくは本書を読んでもらいたい。

 

 反対にあなたが、「自分をそこまでクレイジーではないが、組織を運営してみたい」と感じるならば、それはそれで組織に必ず必要な「リーダーの言葉を翻訳して仲間に伝えるタイプ」であることを意味するかもしれない。

 組織はリーダーだけでは成り立たない。ロールプレイングゲームのパーティーには洗車魔法使いや海賊といった特徴の異なる職種が必ず必要なように、企業にもリーダーが持っていない能力の持ち主が必要だからだ。実際に成功した企業家の多くが、自分と正反対の性格を持つ人ビジネスパートナーとして雇っている。もしあなたが、自分自身ではリーダーになれない、と感じているのであれば、リーダーをサポートする役割を果たすことでも充分成功のチャンスはあるのではないだろうか。

 

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これまでに手に入れた「武器」

• 「駄馬」を使いこなすのが本当のマネジメント。

• クレイジーな人はコンプレックスを原動力とせよ!

• クレイジーでない人はリーダーのサポート役になれ!

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第8章 投資家として生きる本当の意味

 

 「投資」とは、お金を投資することだと一般的に思われているが、本質的な「投資」とは、自分の労働力や時間、人間関係を見据えて、作り上げることでもあるのだ。先行きが見えにくい時代だからこそ、ある時点での1つの投資活動が、その後の自分の未来を大きく変えるのである。

 生産性革命の時代ならば、株式会社の資産とは金を出せば購入できる工場や機械などの設備だった。しかし現在の残業は、設備や機会があれば成り立つような単純なものではなくなっている。絶えずイノベーションを生み出すことができる知性や、全く異なる属性のものを結びつけて、オリジナルなものを作り出す発想力を持った人材そのものが、資産となっているのである。

 

つまりここで言いたい事は「投資する先はモノだけではない」ということ

「トレンドとサイクルを見極め間違えるな」と言うことだ。

 

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第9章 ゲリラ戦の始まり 

 

 いよいよ終盤だ。

 本書を通して筆者が言いたい事は2つある。

 

 1つ目は、「今ある技術を組み合わせることで、世界を変えるイノベーションを生み出すことがいくらでもできる」ということだ。イノベーションは科学や技術を専門とする理系の人間だけの仕事ではない。現在、そして未来の人々がどんなことに困ると予想されるか。どんなことが可能になったらより幸せになれるか。未だ顕著化していないニーズを見つけて実現するのは、まさく、マーケターやイノベーターやリーダーそして投資家の仕事に他ならない。

 

 2つ目は、これからの世界を生きていく人々にとって、世界共通言語である「英語」は必要不可欠なスキルになるということだ。「英語の勉強していても、上には上がいる」と悲観する人も多いかもしれない。しかし正確には、「英語のスキル単体では」の話だ。売りになるスキルや知識のない人が英語を勉強してもそれほどの価値は生まないが、技術者や起業家のような得るものがある人は、英語ができないと非常に損をするのである。インターネットで世界がリアルタイムでつながった現在、マーケットの大きさを決めるのは国境ではなく「言語」だ。自分のスキルと英語によるコミュニケーションを組み合わせることで自分の価値を何倍にも高めることができるのだ。

 

 おもしろいデータがある。

 成功した企業家に、「学生の頃から起業のためにわ、すごく努力をしていたか」と質問したところ、「すごく努力していた」という人はほとんどいないというのだ。

 

 成功した起業家は、学生の頃から起業のためにわ、すごく努力をしていたというではなくて、自分が長年興味と関心を抱いていた何かに、心から打ち込んでいるうちに、たまたま現在の状況につながっていたと言うケースが多いのだ。

 だから筆者は、社会に出てからのステップアップやキャリアプランについて学生の家から考え続ける事は意味がほとんどないと主張している。

 社会に出てからほんとに意味を持つのは、インターネットにも神の本にも書いていない、自ら動いて夢中になりながら手に入れた知識だけだ。自分の力であったことだけが本物の自分の武器となるのである。資本主義社会を生きていくための力とは、勉強して手に入れられるものではなく、現実の世界での難しい課題を解決したり、ライバルといった「敵」を倒していくことで初めて手に入るものなのだ。

 

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つまり、筆者が伝えたい「武器」とは

 ・自分の信じる道が「正しい」と確信できるのであれば、「出る杭」になることを厭うべきではない。

・人生ではリスクを取らないことこそが大きなリスクになのだ。

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 他人にはできない、唯一の自分になること。

それが、これからの非常で残酷な日本社会を生き抜くための「ゲリラ戦」のすヽめである。

 

 

参考文献:滝本哲史 (2013年 株式会社講談社)『僕は君たちに武器を配りたい』