【2050年の技術】英『エコノミスト』詩は予測する

 

11月26日

こんにちは。

 今回は、「【2050年の技術】英『エコノミスト』詩は予測する」という本を紹介します。では、本書では、テクノロジーが将来に与える影響を解説し、"sience and technology"の分野で科学、技術の進歩の見通しが述べられています。

 2050年の未来ではどのようなテクノロジーの変化が起こり、どのような恩恵を私たちが受けることができるのか。また、同時に生まれる、過去最大の「情報格差」に私たちはどう向き合っていくべきか。この本を読むことで、2050年の未来を生きる将来の私たちが、少しでも豊かになることを願っています。

 これからは創造の時代であり、イノベーションの過渡期で不確実な未来が私たちを待っています。時代に流されるだけでは、時代の犠牲者になってしまう。

 自分を守れるのは自分だけなんです。

 

 

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2050年の技術

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目次

 第1章 日本のガラケーは未来を予測していた

第2章 ムーアの法則の終わりの先に来るもの

第3章 第七の波、AIを制する者はだれか?

第4章 なぜデジタル革命では生産性向上が見られないのか

第5章 宇宙エレベーターを生み出す方程式

第6章 政府が脳に侵入する

第7章 食卓に並ぶ人造ステーキ

第8章 医療はこう変わる

第9章 太陽光と風力で全エネルギーの三割

第10章 車は編まれ、住宅は印刷される

第11章 曲がる弾丸と戦争の未来

第12章 ARを眼球に組み込む

第13章 人工知能ができないこと

第14章 プライバシーは富裕層だけの贅沢品に

第15章 10億人の経済力が解き放たれる 

第16章 教育格差をこうして縮める

第17章 働き方は創意を必要とされるようになる

最終章 テクノロジーは進化を止めない

 

※このサイトでは本の要約を述べています。大まかな部分なので、実際にこの本を手に取り、理解を深め、一緒に未来へのアンテナを張っていけたら嬉しいです。 

 

 

第1章 日本のガラケーは未来を予測していた

テクノロジーの未来を予測する際に、目を向けるべきものは3つある。それは「過去」「現在」そして「SFに描かれた未来」である。この3つのツールを使ってこの本では2050年の未来を予測している。日本でのガラケーの普及が現在のスマートフォンの登場の前兆であったように、今後は仮想現実(VR)はパソコンではなく、中核的デバイスとなる。誰もが映画鑑賞や会議への参加など、自分の趣味や仕事を持ち歩けるようになる。また、自動タクシーの登場で都市の車両数は90%減少する。車を「保有」から「共有」へと変わり、事故やそれに伴う死者数は激減する。

 

第2章 ムーアの法則の終わりの先に来るもの

チップの極小化によるコンピューターの高性能化「ムーアの法則」は、原子のレベルに近づき限界を迎えつつある。しかし、そこからコンピューターの発展の未来が見えてくる。これまで置き去りにされてきたプログラミングの質の向上や専門性の高いチップの向上が見込まれる。そうすることで新たに生み出されたコンピューターチップはあらゆる物体に埋め込まれ、「モノのインターネット化(IoT化)」が進むだろう。

 

第3章 第七の波、AIを制する者はだれか?

これまで、コンピューティング・テクノロジーには6つの波が訪れている。第一の波はメインフレームミニコンピューター、その圧倒的勝者はIBM。第二の波はパソコンの波。その勝者はマイクロソフトだった。第3の波であるウェブ1.0はインターネットを運んできた。第4波の波であるウェブ2.0クラウドとモバイルコンピューティングをもたらし、アップル、グーグル、アマゾンが勝者となった。そして、現在が第5波、ビッグデータ、第6の波モノのインターネット(IoT)が広がりつつある。一方、すでに第7の波、AIが形成されつつある。AIの勝者が決まるにはあと十数年かかる。そこに参入する企業にとってビッグデータとIoTの可能性をいかに引き出せるかがカギであり、世界中の投資家も目が離せない分野だ。

 

第4章 なぜデジタル革命では生産性向上が見られないのか

経済学者のロバートゴードンは、産業革命時と比べると、デジタル革命では生産性、労働賃金、生活水準はそこまで向上していないと指摘している。しかし、批判的な論者の存在する。それは経済指標がテクノロジーの変化に追い付いていないからだと指摘する。テクノロジーは価値を定める基準の判断が難しい。また、無料で利用できるサービスも多く量的増加が判断しにくいのだ。そのため一概に、生産性向上が見られないとは言い難い。しかし、より生産性を向上させ、テクノロジーが正のインパクトを世の中に与え、普及と進歩を阻害させないためには、政府による規則制定など、社会制度の充実が必要不可欠である。

 

第5章 宇宙エレベーターを生み出す方程式

まず、結論を述べると、物理学的に光速を超える情報伝達やワープ装置、タイムマシンの実現は不可能である。だが、廊下や疾患の問題は物理の理解、監視、制御によって克服できる。この内容の具体的な物理学の進歩については本書を実際に手に取って理解していたい。

 

第6章 政府が脳に侵入する

 現在米国防高等研究計画局はデジタル装置を人間の大脳皮質につなげるプロジェクトに膨大な投資をしている。次第に震源の脳波インターネットと直接つながるだろう。病気になったり老朽化した組織は3Dプリンターで作られたものと交換できるようになり、個人が自分のゲノムも捜査することも可能になる。しかし、ウイルス攻撃やパスワード管理などセキュリティ上の問題が浮上する。また、このような高機能な最新版は財力のある人間しか手に入らないものになるかもしれない。そうなると新たな「デジタルディバイド」が生じる。

 

第7章 食卓に並ぶ人造ステーキ

本書によると、世界人口は約100億人に達するが、食料危機は起こらない。その背景ととして、農業のオートメーション化が挙げられている。収穫に最適な時期はスマートフォンのアプリが通知し、土壌を豊かにする能力を持つ微生物が撒かれ、遺伝子操作により、簡単に栄養素の高い作物が作れるようになる。一方、生身の動物を一切必要としない細胞培養による動物性食品の製造も進む。少なくとも、ステーキと牛乳は工場で大量生産されるようになる。その流れの中で、あらゆる「人造」食品に反対する人々と、生身の動物を使った畜産でない在り方に反対する人々の対立が想定される。しかし、最終的には動物愛護派が勝つだろう。

 

第8章 医療はこう変わる

医療界でAIによる破壊的変化が起ころうとしている。集中治療室での診断情報の解釈から難易度の高い外科手術まで学習能力を持ったAIが担うようになる。幅広い疾患を幹細胞治療で直すという夢が実現し、患者の症状に合わせて最適な幹細胞をオンデマンドで用意出来るようになるだろう。また、がんや結核を予防するためのワクチンの研究と実用化が進み、ウェアラブル端末によって医療用のデータが24時間収集され、インターネットにつながった住宅も健康上のデータを採取するため、医療機関に足を運ぶ必要がなくなる。しかし、モバイル端末を医療にふさわしい品質のデータを提供するものとして活用するためには、企画の整備が必要。実現すれば検査の分散化と民主化が進む。

 

第9章 太陽光と風力で全エネルギーの三割

太陽光発電風力発電はテクノロジーの改良とコストの低下が驚くほどのスピードで進展している。両社の総発電量の占める割合は現在の5%から30%まで上昇する可能性がある。そして、太陽電池は透明な軽量フィルムになり、自宅の窓やカーテンはもちろん、衣装でも発電が可能になる。原発の先進国は廃炉が進み、中国、インド、ロシアのみなると見込まれている。このような未来のエネルギーの変化は、私たちの生活にとって良い方向に進むだろう。

 

第10章 車は編まれ、住宅は印刷される

現在3D印刷の市場規模はまだ67億ドル程度だが、2040年には一兆ドルを超える。その未来を見ぬいた中国は、すでに大量生産ラインで活用。建物まで印刷している。自らの形状を記憶して、自己修復したり、自ら部材に組み上がる「スマート材料」をはじめとした、様々な新材料が生まれる。また、昔からある材料も分子レバルで操作することで性質を目的に合わせて変えられるようになると見込まれたいる。産業で言うと、製造業においてはリサイクが必須となり、また、解体された電子機器や電気自動車、電池や家電などから金や銀の貴重な材料を回収するアーバン・マイニングが一大産業となるだろう。

 

第11章 曲がる弾丸と戦争の未来

 2009年英国のスナイパーは2475メートル先の兵士を射殺した。狙撃は空中で軌道を調節できるフィン付きの弾薬によってさらなる進化を遂げるだろう。これによってスナイパーは標的との標準線上にいる必要がなくなる。また、人間の代わりにロボットが使用されるようになる。昆虫のように飛ぶスパイ用ドローンから、落ち納屋機材を燃料にしながら何か月も稼働するもの、さらには、ロボット技術とロケット技術が合わさった正確性の高いミサイルなどの開発が想像される。そのような中で、このような武器は国家以外にも行きわたる可能性があり、自由主義はこれまで以上の脅威にさらされるだろう。

 

第12章 ARを眼球に組み込む

誰もがスマートフォンの代わりにARメガネを使うようになる。それによって目の前の道に辿るべき順路が示され、レストランではメニューが不要になる。また、他言語を話すときの会話はリアルタイムで翻訳されるだろう。その後、ARメガネはスマートコンタクトレンズに変わっていく。だが、こうしたテクノロジーは監視会社の成立というトレードオフを免れない。デバイスのメーカーは、ユーザーの日々はもちろん、首の動き、眼球の動き、刺激に対する反応までデータを収集することが可能になり、そうしたデータに政府がアクセスを求めるのは間違いないだろう。

 

第13章 人工知能ができないこと

AIにおける知性の爆発的進化を懸念する人は多い。だが、問題はそんなに深刻ではない。世界トップレベルの棋士と対等に戦うアルファ碁は対戦の最中に火災報知器が鳴っていても、次の一手を探し続けるということからわかるように、作業は得意だが、思考することはできないからだ。AIの成功は私たちがAIに親和性の高い環境を創っていけるかにかかっており、世界がAI  に合わせるのであり、その逆ではないからだ。AIについての黙示録的ビジョンは捨てていいといえる。そして、重大なリスクは、得体のしれない超知性の登場ではなく、私たちが自ら開発したデジタルテクノロジーの使い方を誤り、人類の大半と地球全体に負の影響を及ぼすことである。

 

第14章 プライバシーは富裕層だけの贅沢品に

ビッグデータの活用により、私たちの生活はあらゆる面で「容易に、安価に、潤沢に」なる。また、長い目で見れば、医療、教育、法務などの分野では市場が拡大することで雇用は増加する。アルゴリズムはだれもがやりたいと思わないと思うような単調な作業を引き受けるので、人の仕事の質も良い方法に変わっていくだろう。ビッグデータの活用が進むことで企業や個人の膨大なデータが行きかうことになる。そこで「データ銀行」の誕生が見込まれる。そして、プライバシーは富裕層だけの贅沢品となるだろう。

 

第15章 10億人の経済力が解き放たれる

世界中の女性がスマートフォンを持つことができれば、様々な力を解き放つのに役立つだろう。文字が読めない女性も適切な医療情報を適切なタイミングで手に入れられるようになり、宗教や文化によって自宅に閉じ込められている彼女たちに様々なアイデアや可能性そして、新たな機会をもたらすことになるだろう。

 

第16章 教育格差をこうして縮める

事実、今日にも「教育格差」は存在する。だが、情報技術には「普遍化」を推し進める力がある。例えば教育は、高質なオンライン講義を無料で配信したり、個々の生徒に合わせて指導内容をカスタマイズするプログラムができることで格差は縮まるだろう。また、幼児教育をリアルタイムでサポートするデバイスが開発され、就学前に知的格差が広がるのをふさげるようになる。ただし、技術そのものが格差拡大を解決することはない。裕福な人のほうが新たなテクノロジーを取り入れるのは早く、それを使って自らのスキルを高める術にも長けているからだ。

 

第17章 働き方は創意を必要とされるようになる

テクノロジーによって、人々のつながりはヒエラルキーのない「フラット構想」に近づくと思われているが、むしろ管理職の数は増えている。また、業務のオートメーション化によってフリーランスワーカーの総数は一段と拡大するだろう。企業にとって、アイデアやクリエイティビティを持つ人材の不足の深刻化が見込まれるだろう。 とはいえ、多くの働き手にとって、機械は自らの仕事を広げるパートナーになるだろう。組織は伝統的な職務の在り方を見直し、人間と機械の適切なバランスを実現するような全く新しい働き方とは何かを創意的考える必要があるだろう。

 

最終章 テクノロジーは進化を止めない

技術進歩やその弊害は、私たちの都合などお構いなしに加速しているという思想がある。だが事実は異なる。たとえは、産業革命は蒸気動力の開発によって起こされたと思われがちだが、実は蒸気動力の誕生前から、すでに産業資本家は登場していたのだ。また、蒸気動力のテクノロジーの登場は産業成長に不可欠の要素でもなかったのだ。技術は産業革命の原因ではなく結果だったのだ。テクノロジーとは、すべての応急処置に過ぎないことを理解する必要がある。テクノロジーはニーズを満たすと同時に新たなニーズを生み出すのだ。テクノロジーによって何らかの問題が最終決着することもあり得ない。新たに挑戦すべきこと、解決しなければならない新たな問題は常に出てくる。また、数世紀に及ぶ絶え間ない技術変化が終わりを迎えることは決してない。

 

私たちの使命

本書では2050年を見据えた未来技術を述べられているが、すべて「条件付き」であることを忘れてはいけない。「食糧問題は起きない」という見解には、「ただし、我々が遺伝子組換えなどのテクノロジーを受け入れれば」という但し書きが付く。「格差拡大は起きない」という未来像には社会を分断してきたテクノロジーの力を正しく方向づければという条件が付く。テクノロジーの力を活かし、今よりもっと良い未来を作り出せるかは私たち次第なのだ。

 

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参考文献  【2050年の技術】英『エコノミスト』詩は予測する

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最後まで読んでいただきありがとうございました。